アメリカ、特にカリフォルニア州の家さがしは、本当に一苦労です。
家賃が驚くほど高く、日本の東京都内で10万で借りれる1Kや1Rの物件が、アメリカでは平気で30万ほどすることも珍しくありません。
そこでたいてい、結婚して家族がいる人以外は、ルームシェアをしています。
3LDKのマンションを3人で借りたり、5部屋ある一軒家を5人で住んだりします。
よい物件は住みたい人も多く、内見者も多いため、いい物件があれば、すぐに契約をしてしまいがちです。
しかし、この時に必ず物件についてチェックをしておきたいことを経験からお話します。
アメリカの家賃(1人暮らし用)の相場はいくらか
まず、アメリカの主要都市、ニューヨークやサンフランシスコ、ロサンゼルスは家賃がとても高いです。
他の地とは比べられないため、今回はこの家賃が高い都市についての相場。
前述したように、日本の東京都内で10万で借りれる1Kや1Rの物件が、アメリカでは平気で30万ほどします。
一人用の部屋を「コンドミニアム」略して「コンド」と呼びますが、グーグルやツイッターなどの大手企業に勤める高給取りのエンジニアでさえ、「コンド」は家賃が高いために、シェアをして暮らしていることがほとんどです。
シェアをした場合、プライベートルームがあり、キッチンとバスルームをルームメイトと共用した場合はたいてい10万。
バスルームは自分専用のものがあり、キッチンのみ共有の場合は12万程度です。
シェア物件の形態
この家賃の高さから、独身の人はたいていシェアをして生活しています。
シェア物件にもいくつかタイプがありますので紹介します。
・マンション/アパートメントをシェア
例えば2LDKのマンションを2人の名義で借りてシェアする。
ある程度2人とも収入が安定していなければできない借り方。
先に一緒に住みたい人がいて、物件を探すパターン。
二人で大家さんに直接お金を払う。
・既に誰かが借りているマンション/アパートメントの空きの1室を借りる
既に先にいる居住者が毎月大家さんにお金を払っており、空いた部屋に後から入るパターン。
サブレントというが、既に毎月支払いをしているルームメイトに対して、お金を払うことになる。
ルームメイトはそのお金と、自分のお金を合わせて大家に毎月支払いをする。
・一軒家をシェア
金持ちは家を何件も持っている。
大家さんは住んでいないが、空きの持ち家を貸し出ししているパターン。
こちらも5部屋あれば5人でシェア。
一人づつ、大屋と契約をして個別にしはらう。
【重要】シェア物件契約時の注意点
現在需要過多で、アメリカ主要都市の物件の値段は上がりに上がっています。
そのため、安くてよい部屋があれば、内見もせずに契約をしてしまう人も多いのが現状です。
まさにスピード勝負という状況。
しかし、私は必ず内見をして、その物件が怪しくないか、長く住める物件なのかチェックをすることをおススメします。
特に注意してほしいのは、上で紹介した、一軒家をシェアする場合。
一軒家の地下に不法移住者がいないが必ずチェックをしてください
アメリカの地下に住む不法移民者たち
アメリカのビザはますます取得が難しくなっており、不法移民として入国後、土方などの仕事をしながら生活をしている人はたくさんいます。
彼らは不法滞在のため、通常正規で物件も借りることができません。
そこで、一軒家のオーナーと内密に交渉をし、地下室に安価で住んでいる人がたくさんいるのです。
1ルームに5人ほどの家族が住んでいることも多いです。
私がアメリカに行って初めて借りた物件は、まさにそのような物件で、一戸建てを4人に貸し出ししていたのですが、実はその地下に不法労働でアメリカに来ている家族が住んでいました。
裁判沙汰になった大家とルームメイト
ここで少し私の経験談。
私はアメリカに2年住んでいて、3回の引っ越しをしました。
1回目の理由は、大家とルームメイトが裁判沙汰になったため。
地下に不法移民者が住んでおり、それに気づいたルームメイトが国に通報したのです。
通常、シェアルームをするとき、電気水道代などの費用は、シェアしている人数で割り勘です。
しかし、地下に不法移住者がいた場合、彼らも電気水道を使用しているにも関わらず、ほかの住人には知られていないために、費用を割り勘していないのです。
それに不満を持ったルームメイトは、大家に直談判。
しかし大家は、不法移民者を地下に住まわせていることを隠そうとし、地下の移住者の存在を認めませんでした。
そこで怒ったルームメイトは家賃の支払いをストップ。
それに怒った大家は裁判所に彼の立ち退きを依頼し訴えました。
ルームメイトはさらに炎上して大家の不法移民者を住まわせている件を裁判所に明かして訴え返したのです。
さすが訴訟社会のアメリカです。
ある日の休日に裁判所からの役人がやってきて、住居者全てに一枚の通知書を渡していきました。
内容は「ルームメイトと大家の訴訟で、大家が勝訴した場合、居住者全員が2週間以内に退去しなければならない」というもの。
やっと見つけた物件を、2週間の猶予で退去し、その間に新たな部屋を見つけなければならないなど、アメリカの今の物件状況では不可能です。
私は焦りに焦り、裁判の結果を待たずにすぐに新しい部屋探しをしました。
幸い、条件はよくないものの、引っ越し先が見つかったのですぐに引っ越しました。
訴訟を起こしたルームメイト以外はみな、出て行ったようです。
ただ驚いたことに、その裁判は結局ルームメイトが勝訴し、賠償金(多額)を得て、彼は新しいよりよい物件に後日引っ越したとのことでした
移民者を住まわせる大家は悪者?
このように不法移民者に家の地下や倉庫を改装して貸しているアメリカ人はたくさんいます。
不法移民者に家を貸している大家らは、確かに法を犯して入国している人の手助けをしているので、法律的には違法なことをしています。
しかし本当に彼らはいけないことをしているのでしょうか。
使わない倉庫を貸してお金儲けのために貸し出ししている人もいるでしょう。
しかし、生活に困り、正規に借りる家もない人を助けるために、貸出ししている大家もいるでしょう。
何が正しく、何が悪いことなのか、アメリカに住んでいると分からなくなることが多々あります。
今でも私は、あの時の大家さんを悪い人だとは思っていません。
もちろん、その大家のせいで、何度も引っ越しする羽目になったのは確かなのですが。
まとめ
私のルームメイトの場合はたまたま勝訴したからよかったものの、もし敗訴していたらと思うと、ほかに頼る人もいないような海外で家無しになることほど不安なことはありません。
まずは自分の身を守ることが大事。
アメリカの家探しは交渉も含め本当に大変ですが、その前に一度、不法住居者が住んでいる物件ではないかどうかをチェックすることが大切です。
日本にいれば想像もつかないことに、アメリカでは気をつけなければなりません。
それは本当に心も体も疲れてしまうことです。
しかし、見識を広げ、世界には様々な状況の中で生きている人がいるということを知ることは、必ず人生の役に立つことです。
アメリカでの家探しについての方法などは別途書いていますので参考にしてくださいね。
