アメリカでお給料をもらいながら仕事ができるビザ、J1ビザについて、
✔ 取得方法
✔ 代行エージェントやサポート企業
✔ 費用
✔ 取得にかかる期間や流れ
✔ 申請に必要な書類
✔ 英語力
について、実際にJ1ビザを取得して渡米した経験のある筆者がブログにて詳しく説明します。
また、無事にアメリカにJ1ビザを取得して渡米した後、
✔ アメリカ国内で転職をできるか?
✔ 日本帰国後の進路や転職先は?
などの気になる現状についても紹介をしています。
J1ビザで転職をしてアメリカに行くか迷っている方はぜひ、参考にしてください。
アメリカで働けるJ1ビザとは?
J1ビザ(Exchange Visitors Visa)とは、インターンシップや文化交流を目的としたビザです。
ビザの期限は、1年もしくは1年半。
有給でアメリカで仕事ができる(研修できる)ビザです。
アメリカ国務省(USIA)が認定する職種及び業種でインターンシップを行う研修生に発給されます。
・ビジネス
・科学
・建築
・法律
・芸術
などの分野での一般企業で実務的な就労が可能です。
アメリカで仕事をするにはビザが必要です。
しかし、「就労ビザ」と呼ばれるH1ビザの取得は、観光ビザや留学ビザと違って取得が非常に難しいのが現状です。
「インターンシップビザ・トレーニービザ」と呼ばれる、J1 ビザは、比較的他のビザよりも取得がしやすい、費用も安く早く取れるため、J1ビザを取得する人も多くいるのです。
アメリカのその他のビザについては以下を参考にされてください。

H1ビザ(就労ビザ)とJ1ビザ(インターンシップビザ)の違い
一般的にH1ビザ(就労ビザ)よりもJ1ビザ(インターンシップビザ)の違いについてしっかり理解してからビザを申請しましょう。
J1ビザ(インターンシップビザ)は、アメリカに滞在して仕事をする有効期限があります。
有効期限は短期間のため、H1ビザのように、アメリカ国籍の方の就労機会を奪うことがありません。
そのため、H1ビザよりも規制や審査が厳しくないのが特徴です。
また、H1ビザは、年に1回しか申請時期がありませんがが、J1ビザは年中いつでも申請が可能です。
他のビザとの違いで一番注意したいのが、J1ビザは延長や更新ができないということです。
J1研修期間が終われば、アメリカに残ることなく帰国をすることを前提に発給されるものです。
そのため、J1ビザの期限が過ぎる前に、他のビザに切り替えなどを行わなければ、アメリカに延長で滞在することはできません。
※ビザ満了後、最低2年間はアメリカ国外で生活した後でなければ、他のビザへの申請ができないという条件(Two Year Rule:2年ルール)がつく場合があるため、永住を考えている方は事前に確認が必要。
<H1ビザとJ1ビザの違い比較表>
H1ビザ | J1ビザ | |
有効期限 | 4年 | 最大18か月 |
申請時期 | 年に1度 | いつでも可能 |
取得の難しさ | 非常に難しい | 比較的簡単 |
延長・更新 | 可能 | 不可 |
アメリカ就労ビザのH1ビザについては以下にも書いていますので参考にしてください。
ほとんどの人が、J1ビザをまずは取得して渡米をした後、J1ビザからH1ビザに切り替えをしようとします。
しかし、H1ビザやその他のビザへの切り替えの条件は年々厳しくなっています。
J1ビザを取得して、長期滞在したかったけれど、ビザの切り替えがうまくいかずに2年で帰国せざるを得ない場合もたくさんあります。
J1ビザを申請する際は、慎重に行いましょう。
J1ビザ(インターンシップビザ)の取得方法と申請条件
J1ビザは、アメリカ現地で、現地企業のインターンシップができ、給料をもらうことができるため、ワーキングホリデーよりも条件が厳しく、申請が却下されることがあります。
応募条件を満たしているか、まず確認をしましょう。
・大学・短大在学中、又は卒業してから12ヶ月以内に参加可能
・短大以上の学位を取得済で、1年以上の職務経験がある
・5年以上の職務経験
また、アメリカで働く際の受け入れ企業での仕事の分野は、これまでの経歴と関連している必要があります。
代表的な分野として下記が一般的です。
■ メディア、広告
ウェブデザイン、グラフィックデザイン、マスコなど
■ マネージメント
ビジネスマネージメント, 一般事務など
■ ビジネス
事務、セールス/マーケティング、会計、経理、人事など
■ 貿易、ファイナンス
銀行、投資、 会計、セキュリティなど
■ IT・ エンジニア
コンピュータエンジニア、システム管理、プログラミング, など
■ 建築、インテリア
インテリアデザイン、ランドスケープ、建築など
■ 旅行、ホテル、サービス
旅行会社、ホテル、シェフなど
以上のように、J1ビザ申請をするには、新しいアメリカ転職先の受け入れ企業と、日本のこれまでの経歴との分野は関連性がなくてはいけません。
しかし実際は、今の仕事がどんなものであっても、どの学部であっても、なにかしら関連をこじつけて仕事を探すことはできますので、特に心配はいりません。
アメリカの受け入れ企業(インターンシップ先)の見つけ方
まずは、J1ビザを申請する際には、インターンシップとして受け入れてくれる企業をJ1ビザ申請前に見つけなければなりません。
アメリカのJ1ビザインターンシップ先を見つける方法は2つあります。
① 自身で直接海外の気になる企業サイトに行き、採用ページを確認する
② J1ビザの受け入れ企業紹介を専門に行っている日本の代行会社(エージェント)を使う
① 自分で受け入れ企業を見つける場合
自分でで企業を見つけるのは大変です。
途方もなく時間がかかる上、受け入れてくれるアメリカ企業は少ないです。
行ってみたい企業のホームページにアクセスして、採用ページなどから応募するのが一般的です。
しかし、J1ビザは、通常の転職とは手続きが違います。
そのため、これまでJ1ビザでインターンシップを海外から受けれ入れたことのない企業にとっては、J1ビザで日本人を雇うことは、大変な手間が発生します。
受け入れをOKしてくれるアメリカ現地の企業は少ないでしょう。
② 代行のエージェントに受け入れ企業を探してもらう場合
代理店の代表的な企業は2つです。
代行で受け入れ企業を探してもらうと、アメリカにある日系の企業になることが多いです。
しかし、比較的簡単に、インターンシップ先が見つかります。
エージェントは現地の企業とコネクションがあり、これまでJ1ビザのインターンシップを受け入れた経験のある企業ばかりを紹介してくれるため、比較的申請もスムーズにできるのです。
エージェントを使うと、紹介仲介料として手数料が少し取られますが、確実にビザを取得したいという方は利用してもいいでしょう。
紹介した2つの代行の会社のサイトで、どのような企業が受け入れ募集中かを確認してみることをおすすめします。
受け入れ企業の募集条件はしっかり確認しよう
インターンシップの募集情報は、しっかり確認することをおすすめします。
J1ビザの給料は一般的にとても低いです。
アメリカの最低賃金の設定の場合がほとんどです。
そのため、物価の高いニューヨークやサンフランシスコ、ハワイの一部の地域などの高級エリアで働く場合は、安い給料で高い生活費を払わなければなりません。
家賃などの出費を考えて、もらえる給料だけで生活ができるか、必ず慎重に検討しましょう。
J1ビザ取得方法~書類申請、面接、取得の全体的な流れ~
J1ビザの取得には、基本的に大きく④つの団体とやり取りが発生します。
・アメリカのインターンシップ受け入れをしてくれる企業
・アメリカのNPO団体であるスポンサー企業(国際交流を目的としたビザ発行を推進している)
・ビザ取得のサポートをする日本の企業
・アメリカ大使館
全体的なビザ申請の流れと方法は、以下のようになります。
① エージェントを通じて受入先企業(ホストカンパニー)の決定
② スポンサー会社(NPO団体)の決定
③ スポンサー会社による電話面接(英語)
④ 書類の準備
(下の章で詳しく必要書類について書いています)
⑤ 書類の提出とDS-2019の受取
⑥ 在日アメリカ大使館での面接
(事前にI-901 SEVIS費の支払い、大使館面接の予約が必要)
⑦ J-1ビザの受取
J1ビザ取得の際の面接は何回?質問の内容は?
面接は、
・受け入れ企業を決めるときの受け入れ企業との面接、
・スポンサー企業との面接、
・アメリカ大使館との面接
の3回発生します。
スポンサー企業と大使館の面接の質問内容は?
面接の方法は、スカイプなどでのオンライン面談がほとんどです。
面接で質問される内容は、決まっていませんが、たいてい以下のような基本的な質問です。
・どんな企業でインターンシップをするか
・何のためにインターンシップをするのか
・J1ビザが修了したら何をするか
・アメリカにいる間にしたいことは何か
面接は全て英語で行われます。
英語に自信がないという方は、事前に練習をしておきましょう。
日本のエージェントが面接本番に備えて、デモンストレーションをしてくれるところがほとんどです。
申請が却下される可能性?面接で落ちないための注意点
J1ビザの本来の目的は、仕事を海外ですることではありません。
国際文化交流を目的とした、人材交流をサポートしています。
J1ビザは、「国際文化交流」が目的で発行されます。
そのため、「仕事」「キャリア」のためにアメリカに行くということを、面接で行ってしまうと、ビザが却下される(不合格)になる可能性が非常に高いです。
J1ビザでアメリカに行った後に、アメリカで転職をしてアメリカに長く住みたい。
アメリカで彼氏彼女を見つけて国際結婚もしてみたい。
など、いろんな希望もあるかもしれません。
しかし、J1ビザはインターンシップ期間が終われば「日本に帰国する」のが前提条件であることを忘れないように面接に臨みましょう。
J1ビザ取得にかかる期間
受け入れ先の企業が決まってからビザ取得までに2~3か月かかります。
在日アメリカ領事館への訪問面接などの予約がスムーズに取れなければ、取得までの期間は長くなりますので早めの計画をしましょう。
エージェントに相談をして、アメリカの転職先を選定する場合は、採用までに1~2か月かかります。
エージェントと面談、アメリカの企業選定、アメリカ企業へのコンタクト、面接設定などの手順があるからです。
そのため、いざJ1ビザで渡米しようと決めた場合、アメリカの転職企業選定から採用、ビザ取得までは合計3~5か月かかります。
前もって準備を進めておきましょう。
J1ビザ申請と取得に必要な書類
1.英文履歴書
(自身で書く。英文の履歴書は日本のものとはフォーマットが違うため注意。)
2.DS-2019
(参加者と企業/団体が承認を受けたことを証明する書類。申請時にエージェントと共に書類を作成する)
「DS-2019」は、アメリカのスポンサー企業(NPO団体)が発行してくれます。
スポンサー企業(NPO団体)については、別途記事に書いていますので参考にしてください。
3.最終学歴成績証明書
(英文。大学の就職課に連絡をすれば取得方法が確認できる)
4.最終学歴卒業証明書または在学証明書
(英文。こちらも卒業大学へ確認。)
5.英語力スコア証明書(TOEIC or TOEFL)
※一般的にJ1ビザに必要な英語力の基準として、TOEIC700点程度あれば申請できるでしょう。
6.預金残高証明書(英文)*USドル記載
銀行の窓口に行って、英語での残高証明書が欲しいといえば、出してくれます。
口座開設した店舗しか発行できない銀行が多いため、支店からだと3日程度かけて郵送と取り寄せになります。
余裕を持って準備しましょう。
7.推薦状または雇用証明
(退職前の同僚又は上長に英語で記載してもらう必要がある。)
※英語で推薦状を書ける人は少ない可能性があります。
私は自身で推薦状を英文で書き、同僚に承認をもらって同僚に署名をもらいました。
8.パスポートのコピー/過去に取得した米国ビザのコピー
全ページのパスポートのコピーが必要です。
※条件が変わっている場合があります。
J1ビザ申請にかかる費用
私が2016年に申請をした際は、合計費用は$3,600程(36万円程)でした。
しかし今現在2018年サイトを調べてみると、どの仲介エージェントも$5,000~$6,000のようです。
これには保険や他の登録費なども含まれているようですが、エージェントや、交渉次第によっては安くできるのでできるだけ渡米前の費用は抑えるように心がけるとよいと思います。
アメリカに行けば、家賃や車など、初期経費が莫大にかかるからです。
J1ビザでアメリカに転職・就職するなら慎重に
J1ビザはH1ビザよりも申請が通りやすいと知られています。
また、仕事としてお給料が発生するため、帰国後に経歴として履歴書にも書けます。
ただ、インターンシップは、もちろん正社員より給料が少ないです。
簡単に転職をしてJ1ビザでアメリカに行くことを決めず、あなたのアメリカ生活での必要経費を考慮しましょう。
慎重に、アメリカの転職先企業を選ぶことが重要です。
アメリカで仕事をしたい、海外転職をしたい方は、まずは海外転職に強い転職サイトに登録することをおすすめします。
✔ どんな求人が海外であるのか
✔ ビザサポートはあるのか、
✔ 給料はどれくらいか
✔ 英語力はどれほど必要か
確認できます。
少ない給料のJ1ビザで渡米するより、H1ビザで渡米できた方が、確実に金銭的に生活が楽です。
もしかすると、J1ビザよりも給料が数倍もいい好待遇で、海外で仕事ができる求人チャンスがあるかもしれません。
登録は無料ですし、英語の履歴書の書き方や面接のポイントなども教えてくれるエージェントがあります。
また、スカウトがある求人サイトだと、自分の職歴がどのような企業に受け入れられやすいのか、自分の市場価値もわかります。
あなたが行きたい国、働きたい職種によって、今あなたが何をすべきなのか、海外転職までの流れがわかってくるでしょう。
J1ビザは、ビザの取得がしやすくても、待遇面などがいいわけではありません。
アメリカでの生活に苦労をしないためにも、まずは転職サイトに登録し、いろいろなビザでアメリカに行く可能性もぜひ検討してみてください。
そのうえで、他のビザなら時間がかかりすぎる、ビザ取得の可能性が低いということであれば、J1ビザも一つの手段です。
J1ビザでアメリカに行くことが決まったら準備すべきこと
何度も言いますが、J1ビザは、インターンシップビザであり、お給料は激安です。
最低賃金で働いている移民の人も多くいます。
また、J1ビザでアメリカにいられる期間(有効期限)は最大で18か月です。
つまり、J1ビザでインターンシップ経験後は、ほとんどの人が帰国して再就職をしなければなりません。
J1ビザでアメリカに行き、有効期限のうちにH1ビザに切り替えたり、結婚をしたりして永住しようと考えている方も多いと思います。
しかし、トランプ政権に代わってからは特に、ビザについては非常に厳しい状況です。
何が起きるかわかりません。
アメリカ行きが決まったら、必ず再度帰国する可能性を考えて、転職サイトに登録をしておくことをおすすめします。
18か月後に帰国した時に、J1ビザでの海外インターンシップの経験を活かして転職ができるように、早めに転職サイトに登録しておくことが重要なのです。
私の経験から個人的におすすめの転職エージェントは、外資系の転職エージェントであるロバート・ウォルターズです。
インターンシップ中のアメリカにいる間にも、外資系アメリカ企業の求人などがあれば、教えてもらえるため、現地に実際に面談に行くことだってできるからです。
もしも、その会社からアメリカ勤務をしてほしいと言われたら、そのままアメリカに18か月以降も残ることができるかもしれません。

全ては早めに、行動しておくことがおすすめです。
また、J1ビザでアメリカに行ってインターンシップをした人が、日本に帰ってどのような仕事をしている人が多いのか、気になる方はこちらも参考にしてください。
J1ビザを取得してアメリカに行けば、非常に様々な経験をします。
考え方も大きく変わるでしょう。
その経験を活かして、その後もステップアップができるよう、前もって準備をしておきましょう。